「百束式」形成・美容外科手術概説
1.陥没乳頭形成術(固定ピアス付き)
陥没乳頭は女性の人に言えない悩みの一つです。多くは乳房の発育に伴い発生して、外観上の問題のみならず、不潔になり乳頭下膿瘍などの感染巣の原因になりがちです。また、出産後の授乳困難となれば赤ちゃんの生育にも影響がでます。中年になってから乳頭が陥没すれば稀に乳癌が原因となることもあります。この場合は画像診断や細胞チェックが必要です。
陥没乳頭の手術法はいくつか有りますが、大切なことは、「乳管を切断しないこと」です。乳頭の突出には乳管を切断するのが最も簡単ですが、そうすると将来乳汁が出にくくなり、結果として乳汁うっ滞による感染などを起こしやすくする可能性があります。また、手術後しばらくは良くても、何ヶ月かすると、陥没が再発することがあります。この原因は、手術の不完全と術後固定の不足が多いようです。
百束式陥没乳頭形成術は、すでに1988年にアメリカの英文雑誌に発表された独自の手術方法(参考論文1:Hyakusoku,H.,Okubo,M. and Fumiiri,M.: Combination of the square flap method and dermal sling to correct flat or inverted nipples. Aesth.Plast.Surg., 12:107-109, 1988. 参考論文2: 百束比古、陳貴史:乳頭支持ピアスによる陥没乳頭の牽引固定法、日美会報、26:26-29.2004)
と、2006年にこれもアメリカの英文雑誌に発表された(参考論文:Hyakusoku H,Chin T:Usefulness of the Nipple-Suspension Piercing Device After Correction of Inverted Nipples.Aesthetic Plast Surg 30(4):396-398, 2006)、百束が特許を持つピアス式固定具(インバーピアスR)を用いますので、乳管を切断せず、術後固定も入浴がそのまま出来る画期的な固定法です。再発率も最少限であり、万が一再発しても固定具の再挿入などで対処しますので安心です。














ピアス固定
シリコンチューブ固定
(翌日)
百束式陥没乳頭手術法の模式図(正方弁法の応用―次項参照)
手術前
手術のデザイン
2.百束式2点間延長術(正方弁法)
形成外科では短い距離の延長にZ形成術が用いられますが、百束式延長法は「正方弁法」ともいわれ(参考論文:Hyakusoku,H. and Fumiiri,M.:The square flap method. Br.J.Plast.Surg. 40:40-46,1987)、Z形成術より約60%長く延長できるとされます。この方法を用いれば、やけどやけがの跡の引きつれを治すことが容易にできるわけです。さらにこの方法を応用して、耳垂裂のような被裂形成や、前記のような乳頭形成あるいは先天性の矮小あるいは短小陰茎の延長もできます。





正方弁法のデザイン(左:術前 右:術後)
正方弁法による首の引きつれの修復












術前
デザイン
術後上を見た状態
ヘッディング (小)
3.唇裂瘢痕、口唇・鼻変形形成術
生まれつきの顔面変形のうち、最も多いのが口唇裂です。通常生後半年以内に形成手術を行い、その後は成長による鼻の変形や歯列矯正のための骨移植を学童期以降に行いますが、変形の程度や最初の手術のレベルによっては、いろいろな変形や傷あとに悩む方がいます。
百束医師はとくにこれらの術後変形の修正で有名です。口唇裂・口蓋裂患者の団体である「口友会」の講演にも頻回に招かれて、多くの患者さんを治して来ました。学童期以降の修正は局所麻酔・日帰りで可能なことが大半です。「百束式」修正術では出来る限り目立つ所には傷を残さないように、また美容外科の手法も取り入れてきれいに治します。必要であれば、メイクアップセラピーも専門家(かづきれいこ先生)に依頼します。
(参考論文:百束比古(編集):PEPARS No.65 美容外科的観点から考える口唇口蓋裂形成術、全日本病院出版会、2012)
百束式口唇裂形成手術のデザイン

術前デザイン 術後




口唇裂児の形成術 (左:術前 右:術後)






