顔面頸部の高度熱傷後瘢痕拘縮では、背部より可成り大きな薄い皮弁が必要になる。そこで背部片側の大部分を皮弁にできないかと考えた。その結果、従来の後頭頸背部(OCD)超薄皮弁の茎部は有茎で皮弁の末梢部に「肩甲回旋血管」と「第6肋間穿通枝」付加させてマイクロサージャリーで吻合することを試みた。要するに二重血管束付加OCD超薄皮弁である。その症例の結果を以下に示す。
手術前の頸部を中心とした熱傷後瘢痕拘縮。
2対の微小血管束を付加した超薄皮弁のデザイン。
超薄皮弁移植後。
この症例に関する論文
Ogawa R, Hyakusoku H: Color Doppler Ultrasonography in the Planning of Microvascular Augmented Super-thin Flaps. Plast.Reconstr.Surg.112:819-821 2003
この症例の再建に用いた超薄皮弁は恐らくギネスブックものの薄く大きな皮弁であると思う。それを可能にしたのは、肩甲回旋血管と第6肋間穿通枝との2つの血管束を末梢部に付加したからである。
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