top of page
執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その13 皮膚癌・肉腫とその形成再建手術―今回は基底細胞癌

皮膚癌の松竹梅のうち、最も悪性度の低い梅が基底細胞腫である。要するにきちんと取ればそれで終わり、再発も転移もなしという程度の皮膚癌である。きちんと取るというのはどういうことか、と問われれば、腫瘍辺縁から3mm幅以上の健常皮膚を付けて取る。厚さは皮下脂肪を十分に付けて取る、ということである。直下の筋膜が露出する厚さであれば十分である。


顔面にできた基底細胞腫とその再建手術の3例を見せる。うずれも、私の指導で、青木律医師(現立川グリーンウッドスキンクリニック院長・日本美容医療協会理事長)の執刀による。


左:典型的な基底細胞腫。右:前進皮弁による修復後。



左:やはり典型的な基底細胞腫。右:前進皮弁による修復後。


左:かなり放置して進行した基底細胞腫。右:青木律医師考案の「Flap in flap法(論文下記)」による修復。

Aoki R,Pennington DG,Hyakusoku H:Flap-in-flap method for enhancing the advancement of a V-Y flap.J Plast Reconstr Aesthet Surg 2006;59(6):653-657


基底細胞腫は一見ほくろ(母斑)や脂漏性角化腫(老人性疣贅)に類似しているが、キャリアを有する医師にとっては視診でわかるので、最初から腫瘍辺縁3mm含めて切除し病理組織検査で取り切れていることを確認する。

次回は表皮内癌について述べる。


閲覧数:199回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comentarios


bottom of page