さて、現在までに多額の費用(一説には生保のため2億円の税金とも言われる)をかけて救命され、歩行もできないような状態の青葉容疑者は、逮捕されたがこれからどうなるのであろうか。
一つには尖足や膝の運動障害をもたらしている熱傷や皮膚移植後の瘢痕拘縮の解除がある。そのためにはさらなる皮膚の移植や皮膚弁の移植が必要であるが、飽くまでも自分の皮膚を使うしかないのに、使えるきれいな皮膚は全身熱傷のためどこにも見当たらないであろう。
すなわち、培養されて移植した皮膚は、瘢痕拘縮解除に使えるようなまともな皮膚でないのである。それでも私が40年前に開発した「瘢痕皮弁」の方法をとり、頭からの皮膚採取で補えば、ある程度の拘縮解除は可能であろうか。いすれにしても極めて高度の形成再建手術を必要とされよう。しかしそのためには更に莫大な治療費と年月がかかるので、それが許されるのかということである。
次回は私のライフワークとも言える全身の重症熱傷患者の救命後の再建手術の数々の工夫について、年代を追って詳述する。
瘢痕皮弁によるアキレス腱部クロスレッグ(体側の足の皮膚を3週刊くらい渡す方法)再建の例。
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