1985年頃、最初は耳垂裂の形成法が、どうも教科書に載っている方法では普遍性がないと思い、元々得意であった幾何学を駆使して、新しい方法を考え出した。それを正方弁法と名付けた。
耳垂裂の正方弁法による形成
(左:手術前の状態とデザイン。右:正方弁法による形成後)
図は正方弁法の皮弁の組み合わせを示す。
さらに、この方法を瘢痕拘縮の解除に応用できないかと考えた。教科書的にはZ形成術というのがあるが、それは延長率が1.73倍に対して正方弁法では2.80倍である。
上図は茶色の帯を瘢痕とした場合の正方弁法での拘縮解除を示す。
結論としては、正方弁法による瘢痕拘縮の形成は特に腋窩と口角に優れていると思われる。次回はプロペラ皮弁法について述べる。
(正方弁法の論文)
Hyakusoku,H. and Fumiiri,M.:The square flap method. Br.J.Plast.Surg.40:40-46,1987.
正方弁法による腋窩瘢痕拘縮の形成(左)と瘢痕拘縮による小口症の口角形成。
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