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執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その7 血管束移植二次皮弁の開発―再生医療の芽生

広範囲熱傷の再建では、移動したい組織を血流的に安全確実に移動させられる方法が必要になる。そこで、血管束(動脈と静脈が寄り添ったもの)を予め移植すればこの目的が達せると考えた。ハーバード大のPribazは私の論文からインスピレーションを得て、この血管束をVascular Craneと名付けた。私の最初の論文は電撃傷による口唇の部分欠損を、予め血管束を移植したあごヒゲ付きの皮膚弁で修復したものである(公式ホームページに掲載)。さて、その後寝タバコの不始末で顔全体が焼けた男性の眉毛を両側とも創るために、髪の毛の皮膚に予め血管束を移植して、3週間後一気に移動して両側眉毛の再建に成功した。以下にその写真を供覧する。


(代表論文)

Hyakusoku,H.,Okubo,M.,Umeda,T. and Fumiiri,M.:A prefabricated hair-bearing island flap for lip reconstruction.Br.J.Plast.Surg.,40:37 - 39,1987. Hyakusoku,H.:Secondary vascularised hair-bearing island flaps for eye-braw reconstruction. Br.J.Plast.Surg.46:45-47,1993


左:手術前の全顔面熱傷瘢痕。 右:眉毛再建の手術後


  移植した血管束

このように、血管束を予め移植して欲しい組織を確実な血行を持たせて移動するような方法は、再生医療で作った組織を移植する方法として注目されている。

次回は愈々超薄皮弁について詳述する。

 

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