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執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その9 熱傷による頸部顔面の瘢痕拘縮治療には超薄皮弁―マイクロサージャリーの付加で次々と開発

前述のように、高先生の超薄皮弁の伝播とペニントン先生のマイクロサージャリー付加のアイデアによって、私の創造力は極度に啓発された。豪州から帰国して蓄積されていた多くの熱傷後瘢痕拘縮の患者に種々の新しい超薄皮弁を適用していった。

私が最初に考案したのは、微小血管束付加頭頸背部(OCD)皮弁であった。付加微小血管には、肩甲回旋血管を使った。その解剖学的シェーマと代表的症例を下に示す。




皮弁のデザイン。



手術前の顔面頸部 広範囲熱傷による瘢痕拘縮。



皮弁移植による瘢痕拘縮解除後。


この皮弁はとにかく従来の皮弁に関する常識である、厚い、サイズが限られる、という概念をことごとく打ち壊したと言う点で革命的であったと思う。その特徴から熱傷に伴う瘢痕拘縮や瘢痕の再建にうってつけであった。そのため論文は世界で読まれ、その8のコラムでふれたように、ベトナムから来た留学生のビン医師により私の教えを引き継いでくれて、ベトナムで多くの熱傷患者の救いとしてこの皮弁を使って素晴らしい成果を出している。

彼は既に数百例の患者をこの皮弁で救っているが、そのうちの素晴らしい1例を借りたので見せたい。

頸部の熱傷後瘢痕拘縮。



皮弁のデザイン。



皮弁移植後一年。


次回は、OCD皮弁から派生した種々の超薄皮弁について述べることにする。

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